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“レンズ沼”に落ちそうな人を後ろから突き飛ばすような良書

マイクロフォーサーズ機やソニーのNEXは、そのフランジバックの短さからマウントアダプターでオールドレンズ遊びをするのに最適なカメラです。対応するマウントアダプターをボディとレンズの間に挿入すれば、さまざまな古いレンズが装着できてしまいます。ヒューッ! なんてアメージングなんだろうな、マイクロフォーサーズとNEXは!

ここまで、(なぜか)英語で書かれた文を英訳したかのようなテイストで書いてみました。さて、例によって以上が駄文コーナー。ここからが本題です。

レンズには対応するマウントが必ずあり、それがボディとレンズの組み合わせというものを形成しています。通常は、キヤノンのレンズはニコンの「D700」には装着できませんし、ペンタックスのレンズは「EOS Kiss」には装着できません。いや、握力1トンのパワフルガイであれば強引に突っ込むことができるかもしれませんが、恐らく正しく動作しません。しかし、マウントアダプターはその制約を無効化することができます。対応するマウントアダプターで中継することで、他のマウントのレンズもバッチリ付けられます。特にソニー「Eマウント」には、マイクロフォーサーズのレンズすらも装着できるようになるマウントアダプターが販売されています。

ユーザーにとってはうれしい悲鳴というか笑いが止まらないやウハハハハアヒャヒャヒャおまえワライダケ食べただろうすぐ吐きだせという状態といえますが、従来はキヤノンユーザーであればEFレンズのカタログを見てニヤニヤしていればよかったのです。しかしマウントアダプターでさまざまなレンズが装着できるとなったら、ひとつのメーカーのマウントだけにとどまらず、装着可能なすべてのマウントの魅力的なレンズが気になってきてしまいます。30年前からキヤノンユーザーだけども実はニコンのレンズが気になっていた、という方もきっといるでしょう。よく言えば、人類みな兄弟。カメラ好きならメーカーの垣根なんて越えていこうじゃないかという精神(節操がなくなるという説も)。こうなってくるともう収拾がつきません。いわば無限レンズ地獄。レンズを購入したらまた他のレンズが気になりだし始める、“レンズ沼”とはよくいったものです。

さまざまなメーカーからチョイスした、計42本のレンズインプレッション

0518 というわけで、マウントアダプターの魅力に参ってしまうと、いろんなレンズの情報を従来にも増して貪欲に集めるようになります。つまり私です。マップカメラの充実した書籍コーナーに行ってみたり、昔購入したレンズガイドを読み返したりと、寝ても覚めてもレンズレンズという充実した生活を送っていて家族には完全に呆れられているわけですが、最近読んだ本のなかでなかなか良かったのが→の「定番カメラの名品レンズ」です。

著者は写真家の赤城耕一氏です。42種類のレンズについて、見開き2ページで写真と文章で説明しています。取り上げられている42本のレンズのうち主なものを挙げます。

・Summilux M 35mm F1.4

・Summicron 35mm F2

・MC Rokkor 35mm F2.8

・MD Rokkor 45mm F2

・SMC Takumar 28mm F3.5

・SMC Pentax 30mm F2.8

・SMC Pentax M 40mm F2.8

・Distagon T* 28mm F2 AE

・Distagon T* 35mm F1.4 AE

・Planar T* 85mm F1.4 MM

・OM Zuiko MACRO 50mm F2

・Super Wide Heliar 15mm F4.5 ASPH

・W-Nikkor 2.8cm F3.5

・Canon 35mm F1.5

・Micro Nikkor P Auto 55mm F3.5

・Canon 100mm F3.5

広角レンズが多いのは、単に私のチョイスによるものです。

主観で書かれたレンズレビューは実感がこもっていてよい

まず本書の良いところは、キヤノン、ニコンからライカ、ツァイスまで、偏ることなくバランスよく紹介されている点。そして、各レンズを使用した上で長所と短所がきちんと書かれている点。42種類のレンズそれぞれに丁寧なインプレッションが記されているので「これはいいな」とか「これは自分には向いていないかも」という、自分の好みや使用環境に置き換えた場合の想定ができます。一部を引用すると、

色再現性は温調で、黄色味が強いほうだが嫌味な感じではなく、ポートレートなどではかえって好ましく感じられる。(MC Rokkor 85mm F1.7)

描写性能は開放ではじんわりとしたフレアが被写体の輪郭部分に感じられるけれど、きわめて品が良いものだ。おそらくこのレンズの開放時の数値性能というのは低いものと想像される。しかしコントラストは実用十分にあり、出来上がった写真の像の形成には力がある。(Distagon T* 28mm F2 AE)

といった具合に、レンズの絶対性能値ではなく、レンズの味や個性をうまいこと伝えています。自分が持っているレンズについての記述に「あーそうだねえ」と納得できるのも、実際に著者がそのレンズを相当使い倒しているからなのでしょう。

単にコントラストが高かったり解像力が高かったりするレンズを持ち上げるのではなく、たとえば4隅が暗くなる周辺光量落ちもドラマを演出するスパイスでありレンズの個性である、ということを正面切って主張しているのが気持ちがよいです。難を言えば、と悪い部分を挙げてみようと思いましたが、むしろこのノリで他のレンズについての評価も読んでみたい、そんな気分にさせる本でした。カメラ関係の書籍はどれもなかなかに高価ですが、オールドレンズが気になる人にとってはこの本は価格相当分は確実に楽しめるんじゃないか、そんな風に思います。

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(2011.05.18)

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