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マウントアダプターの基礎知識 その6 MFが不便に感じなくなる瞬間

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マイクロフォーサーズ機やNEXなどのミラーレス一眼カメラとマウントアダプターを組み合わせてオールドレンズを使うとき、避けて通れないのがMF(マニュアルフォーカス)です。

「マウントアダプターは楽しそうだけど、AFが使えないから(MF操作になるから)やめておこう」という人は結構多いように思います。実際に、自分の周りでも、カメラをひょいと渡して「MFでピントを合わせて」と言うと、とたんに「難しいから無理」と言われて突き返されます。

「ピントが合っているかどうかわからない」、「めんどう」、「急に撮りたいときにMFだとその瞬間を逃す」などなど、自分でもMFの短所はすらすらと出てきます。その結果、「AFだったらいいのに」という結論に落ち着くことになります。いや待った! それで終わったら書いた意味がない。MFに対して感じる抵抗感は、やり方しだいですんなりと解消できるものなのです。

抜刀状態で敵に向かっていくのがMFの楽しさ

自分がMFを使いだしたのは、ほんのこの1年ほどですが、高名な写真家やカメラマンがよく「MFを使ってみなさい」と推す理由がなんとなくわかってきたような気がします。ひとことで言えば「楽しいから」です。その楽しさを伝えたいがために、写真家さんは「たまにはMFで撮ってみなさいよ」と口うるさく言うわけです。

しかし、いくら楽しいって言われても、AFの便利さをそう簡単に手放せるわけがありません。今の時代、ピントはカメラが合わせるもので、そのスピードが速ければ速いほど快適になるわけですから、カップラーメンを目の前にして木の棒と板きれを渡され「これで火をおこしてお湯を沸かしてみようか、なぜなら楽しいから」と言われても、誰がするかボケ、という話です。

ここまで書いてきて、果たしてMFが楽しそうに思ってもらえるか不安になってきましたが(自分がまいた種です)、つまり、たいていの人は、写真を撮るときは“急いでいる”ということです。子どもが良い表情をしていたり、集合写真で「早く撮ってよー」と急かされたり、いきなり目の前に福山雅治が現れたり、「撮りたい!」と思う瞬間が向こうからいきなりやってきたとき、手に持っている武器はスピードに長けているほうが良いに決まっています。

MFの強みはスピードではありませんから、向こうからやってくるシャッターチャンスには不利です。じゃあどうするかというと、自分で被写体を探す、ということが重要になってきます。「たまにはMFを使ってみろ」と口うるさく言う方々が強調したいのはひとえにその点です。

いかにも写真教室っぽくまとめるなら、

「MFレンズを使うということは自分で被写体を探すこと。そのためには周囲に目を配って「これは!」という被写体を探すことが重要になる。つまり物を見るときに漫然と見るのではなく、目にしたものの魅力を捉える感性を常日頃から磨いておくことが大事」

てな感じです。自分がこんなことを面と向かって言われたら「ヤだよめんどくせえ」って思いますけどね。しかし、MFレンズを持ち歩いていると、自然と被写体を探すようになるのは事実です。居合切りでは勝てないわけですから、刀はいつでも振り下ろせるように、上段に構えておかないといけません。そうやって「いつでもぶった切ってやるぞ」と構えていることが、実は楽しいということなんです。

MFに対する抵抗感は、MFを触り倒して解消する

「MFってもしかしたら楽しいのかな」と思っても、いざ実際に使ってみたらイライラして投げ出したくなった、なんてこともよくあることです。正確に言うと、自分にはよくありました。ピントを合わせるのがまだるっこしいんです。やってられるか、俺はAFが大好きなんだ、テクノロジー万歳!と開き直ってMF世界から立ち去るのです。

ここでひとつMFに慣れる方法を書きますと、イライラしても使い続けることです。「そんなことかい!」と思われると思いますが、これは本当にそれしかありません。イライラする原因は明快で、MFという操作(ピントリングを回して被写体にピントを合わせる操作およびファインダーや液晶モニターでピント位置を確認する動作)自体に慣れていないのにAFの速度と比べてしまうからです。つまり、MFレンズの操作が上手ではない、上品に言うとあまりお上手ではない、ぶっちゃけて言うと下手だからです。ふだん使っていない道具ですから、そりゃあ下手なはずです。1年に1回くらいしか料理をしない人が包丁で魚を三枚におろすのにイライラするのとまったく同じです。MFレンズは電化製品とは違って完全に道具ですので、その動作・道具に体が慣れるまでは、ひたすら使わないといけません。

ひたすら使いこんでいくとき、「MFレンズに慣れるまではAFレンズは触っちゃダメ」といった自分の中の掟を作るとさらに効果的です。徹底してMFの操作に慣れましょう。しかし「掟を破った者は村から出ていかなければならない」といった罰則まで作り出すのはやり過ぎです。

MF操作に慣れてくると、MFに対する抵抗感はすっかりなくなる

もうあとは習うより慣れろの世界です。MFレンズとマウントアダプターを入手して、手持ちのミラーレス一眼カメラに装着し、一週間くらいそのレンズでひたすら撮り続けましょう。こういう状態を一般では「荒療治」と言い、プロレス業界でのみ「虎の穴」と表します。

何気に大事なのが、ここで使用するMFレンズです。レンズに対してあまり思い入れがない、もしくは性能にいまひとつ信頼が置けないものだと「もういいや」と途中で心が折れかねません。昔からMFレンズを使い慣れている人には関係ない話ですが、初めてMFレンズを手に入れるのなら、事前によく情報を集めて、「この最高のレンズを使うためには多少の面倒は苦にならない!」と思えるようなレンズを使うと良いです。懐に余裕があるのなら、いっそのこともう引き返せないくらいの価格のレンズを購入するのも、それはそれで漢の決断として尊重されることでしょう。実際の話としては、MFの単焦点レンズには低価格でも優れた性能を持つものがたくさんあるので、評判の良いものを探すのが良いように思います。

途中から精神論のようになってきましたが、お気に入りのレンズでしばらくMF操作をしていくと、カメラを使うときに左手は自然とピントリングを触っているはずです。もしくは何か被写体を見つけた瞬間に、勝手に左手がピントを合わせる動作を始めます。そこまで来たらもうMFを手中に収めたも同然です。AFレンズを触っても「二度とMFレンズなんて使うか」とは思わなくなっているはずです。

MFレンズについてはマニュアルフォーカスは不便で面倒?という記事にも書いたので興味が沸いたらご覧ください。

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(2011.06.17)

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