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Eマウント向けレンズ「SLR Magic 28mm f/2.8」を購入してみた

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香港SLR Magicが投入するEマウント向けレンズ「SLR Magic 28mm f/2.8」が、eBayで販売が開始されたという記事を先週書きまして、買おうかどうか迷っている、というようなことを書いた覚えがありますが、アレッ! 届いちゃってる!

そんな三文芝居はさておき、世界で5つ目となるEマウント向けレンズ(SLR Magicとしては2つ目)がどのようなレンズなのか、珍しくじっくりとレビューしていきたいと思います。

スペックだけ見るとあまり特長のない単焦点レンズですが、これが予想を裏切る珍品でした。


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香港から到着した梱包を開けると、右写真のようなレンズが出てきました。SLR Magic製品には必ず付いてくるNEXのボディキャップも含まれています。あと、おまけでNEX用液晶保護カバーが付いてきました。

右の写真は、一見、マウント部が上を向いているように見えますが、そうではなく、上がレンズの前面になります。レンズフードは固定されていて取り外す事はできません。そしてレンズキャップはねじ込み式。ちなみにこのレンズキャップはSLR Magic 35mm f/1.7に付属していたものと同じです。

色はシルバーで、NEX本体のマウント部分の銀色よりも安っぽいですが、どうにも安っぽさが際立つ、という感じではありません。昔懐かしい超合金のような質感、とでも言いましょうか。

絞りリングがレンズの前玉のほうに付いていて、ピントリングは手前にあります。この理由は後でわかります。

機構的に“おもしろレンズ”であることが判明

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右の写真はレンズキャップを外したところです。まあ、なんて小さな前玉でしょう。これなら覆い式のレンズキャップでも問題ないはずです(このフード、実際には遮光性能は大したことなかった)。

ところで、絞りリングがレンズの前方にある理由ですが、このレンズが採用する独特な絞り機構のためでした。このレンズ、SLR Magicの説明によれば“Silky smooth bokeh”を実現したとあります。日本語に訳すと「シルキーでスムーズなボケ」です。なんだかバカっぽいとか言ってはいけません。

また、説明には“a perfectly round aperture opening at all times for the perfect bokeh”ともあります。自信たっぷりに、絞りの形が真円であることを強調していますが、見てみたら確かに間違いなく真円でした。というのも、通常のレンズのように絞り羽根を使うのではなく、円形にくり貫かれている絞りを使用しているからです。このレンズの絞り値は開放F2.8からF22ですが、F2.8、F4、F5.6.、F8、F11、F16、F22という7つの絞り値に対して、その大きさの円があらかじめ用意されており、それを前玉のすぐ後ろに設けた回転ディスク(the rotational apertrue disk)によって変更する、という仕組みになっています。もっと簡単に言うと、絞りに応じた7種類の大きさの穴をクルクルと入れ替えられるようになっている、ということです。

ですので、このレンズでは「絞りを半段分絞って」ということはできません。「絞りは7種類だ! 不満な奴は帰れ!」というシステムとなっています。絞りという仕組みの原点に立ち返って、絞り羽根を排除し、円形の穴を複数用意する。前玉の径の大きさも、そのために小さくしてある。

というように、この時点でおもしろレンズであることが確定しました。

 

「SLR Magic 28mm f/2.8」のSPEC

焦点距離 28mm (35ミリフィルム換算では42mm)
撮影距離 0.24m - 無限遠
最大絞り値 f/2.8
フォーカス機構 Internal
長さ 4cm
重量 280g
フィルター径 37mm

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SONY NEX-5、SLR Magic 28mm f/2.8

真円の絞りは確かにキレイだが、それ以上に個性的な写り

機構としてはおもしろレンズですが、写りもかなり個性派です。

最初にネガティブな部分を列記すると、絞り開放のF2.8では画面四隅が流れて解像力が落ち、被写体によっては四隅の光量落ちが目立つこともあります。また、逆光性能は弱く、光の入り方によってはスモークを炊いたように画面が白くなることもありました。光源のボケはまさに真ん丸でとてもキレイですが、画面周辺になると口径食でボケがラグビーボール状になります。まあ、ここに挙げたことはオールドレンズでもよくあることです。ただ、逆光性能だけは他のレンズより少し低めかもしれません。しかも覆い式の個性的なフードがいまいち役目を果たさないことが多く、特に天頂からの光に弱いという、半逆光っていや半逆光だけどもそこはもうちょっと頑張って欲しかった、という言葉が思わず口をついてしまう残念なフードです。専用設計のフードなんだからもう少しギリギリまで攻めてほしかった。なお、天頂からの光で画面が白っちゃけたときは手で光を遮るとコントラストが蘇ります。

日中の太陽光下など、光が十分にあるところでは色のコントラストの高さがすごいです。色乗りが良い、と言いますか。補正してるんじゃないかと思うくらいに原色が派手に写ります。シャープネスは十分なレベル。開放ではピントの合っている部分の線が滲むこともありますが、条件が揃えばキレキレになります。

自分が気に入ったのはローコントラストな状況での写りで、明暗差がちょうどよい程度に収まり、また、開放時の周辺光量落ちのおかげで、とても雰囲気のある写真が何枚か撮れました。気に入った写真が撮れてしまうと、もうそのレンズの事を好きになってしまう、まるで十代女子のように多感な私(おっさんですが)。これはなかなか良い買い物をした、とほくそえんでいるのです。

もうひとつ良いところを挙げると、最短撮影距離が24cmと、かなり寄れます。マクロ的に使うと自慢の真円ボケも活きますし、意外と使いでがあるレンズです。

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SONY NEX-5、SLR Magic 28mm f/2.8

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SONY NEX-5、SLR Magic 28mm f/2.8

造りはチープなので、人を選ぶレンズ

「あれ? ピントリングが回らない」ということが数回ありました。これは、絞りが中途半端な位置だとピントリングが回らないようになっているためなのですが、造りがさほどしっかりしているわけではないため、ちょっとした絞りリングのゆるみによって、その影響でピントリングが動かなくなったりしました。これはわりと頂けない部分でした。基本的に絞りリングがガタガタしているので、使っていくうちにもっと重大な不具合が生じるかもしれない、という懸念はあります。

こういった造りに関する部分を許容できる人であれば、この「SLR Magic 28mm f/2.8」は結構おもしろいレンズなんじゃないかと思います。少なくとも、同じSLR Magicの「35mm f/1.7」よりはちゃんとしたレンズです(「35mm f/1.7」が特殊すぎるという説もある)。

現時点ではeBayのSLR Magicアカウントで販売が行なわれています。ちなみにeBayでは199.99ドルで販売されていますが、“Best Offer”で値切ることも可能です。自分は最初180ドルを提示して断られ、190ドルに変更したらOKでした。185ドルくらいまでは値切れるんじゃないかという気がしますので、これから購入しようと考えている方はぜひ185ドル提示に挑戦してみてください。

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SONY NEX-5、SLR Magic 28mm f/2.8

(2011.06.25)

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コメント

ようやく国内ユーザーで購入者が現れましたか
やはり色々癖のあるレンズなのですね。
Noktor 50/0.95のレビューも期待しておりますw

投稿: Didjeridoo | 2011.06.29 11:19

Noktorの50mm f/0.95ですよねー。
PENTAX Qのツインレンズキットが買えてしまうお値段なので、どうにも踏み切れずにいます。欲しいなーとは思いつつも。

投稿: segi | 2011.07.06 15:57

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