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NEXの“ピーキングMF”機能を(ちょっとだけ)使いこんでみた

6/20のファームウェアアップグレードで、“ピーキングMF”と“ピクチャーエフェクト”機能がNEXシリーズに追加されました。“ピクチャーエフェクト”はいろんなところで様々なナイス画像が上がっているので、マウントアダプターを溺愛する当ブログでは“ピーキングMF”について掘り下げます。ソニー、NEX-5/NEX-3のファームウェアアップグレードを提供開始!でも似たようなことを書きましたが、あれは速報だったので、もう少し使い込んだ時点でのレポートとなります。

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“ピーキングMF”機能についておさらいしますと、6月20日のファームウェアアップグレードでNEX-5/NEX-3に追加機能として導入され、6月24日発売の「NEX-C3」には最初から備わっている機能です。なお、上の画像をクリックするとNEX-C3の公式ページに飛びます。

マニュアルフォーカス時に、“画面内のシャープな部分を色つきで表示します。画面のどこにピントが合っているか一目で確認ができ、細かなピント合わせを行う マクロやポートレート撮影に便利です。

以上、公式の説明でした。「マクロやポートレート撮影に便利」とありますが、マウントアダプターとオールドレンズで遊び倒している当ブログとしては、当然ながらMFレンズでの使用を想定しています。当然ですよね!

6/20のファームウェアアップデートを適用すると、上図右側の設定画面にあるように、“セットアップ”に“ピーキングレベル”の項目が追加されます。“ピーキングレベル”は高・中・低の3段階が選択でき、“高”は検出レベルが広く、“低”は検出レベルが狭くなります。しきい値の低い“高”では、ピントがそこまで来ていない部分までシャープであると判断されてハイライト表示を行なうため、撮影後に拡大表示してみたらピントが合っていなかった、ということが起こります。ですので、通常利用時は“中”もしくは“低”のほうが適していますが、白い壁や段ボール、あと段ボールなど、コントラスト差が少ない被写体だとピーキングレベル“低”ではハイライト表示が全然出てこない事がよくあるため、被写体によっては“高”も使いどきがあります。とにかく段ボールを猛烈に撮りたい人には“高”をおすすめします。

“ピーキング色”の設定項目も“セットアップ”内にあります。“ピーキング色”はデフォルトでは白で、黄色、赤を選択できます。たとえばニコンの看板を撮るなら“ピーキング色”は黄色ではなく白や赤のほうが適しており、キヤノンのロゴが撮りたくて仕方なくなったら赤ではなく白や黄色を選ぶほうがよいでしょう。こんなにダラダラと説明するまでもなく、その時々の被写体に合わせて色を選べるようになっています。

アメージングな新機能“ピーキングMF”、その効果はいかほどか?

実際に“ピーキングMF”を3本のMFレンズ+マウントアダプターで試してみました。結論から言うと、被写界深度が深い状況なら“MFアシスト”による拡大表示を使わなくても大体ピントを合わせられます。ここで重要なのは“大体ピントが合っている状態を作り出すことは非常にたやすい”ということです。

“ピーキングMF”ではハイライト表示された部分がピントが合っている(とカメラが判断した)部分を表しますが、MFレンズのピント合わせでは、ピントリングを回すとピントが合い始めてだんだんピークに達し、そしてまたなだらかにピントが合わなくなっていく、というのが一連の流れとなります。“ピーキング MF”ではピークに達する前の段階でハイライト表示が始まる場合が多く(それはそれで便利ともいえる)、ピントのピークを掴むためにはもう少しピントリングを回す必要が出てきます。この「あとどれくらい回すとピントのピークに到達するか」というところはレンズによって異なるため、レンズごとのクセを覚えると精度がさらに上がる気がします。

実際に使った感じでは、たとえば街中のスナップを35mmの単焦点レンズでF4以上で撮っているときは、被写界深度が深いため拡大表示をしなくてもピントが合ってくれていることがほとんどですが、絞りがF4以下で、被写体との距離が近いときには、いくら“ピーキングMF”があっても“MFアシスト”を使わない限り、狙ったピント位置にしっかり合わせるのはほぼ不可能です。正確かつ精密なピントを求めるなら、ちゃんと“MFアシスト”で拡大表示をしましょう、という結論になります。

被写界深度が浅いときは“MFアシスト”での“ピーキングMF”表示が最高に便利

なお、“ピーキングMF”は、マニュアルフォーカス時に使用できる機能ですが、“MFアシスト”で細部を拡大表示しているときにも使用できます。何気に、この“MFアシスト”中の“ピーキングMF”というのが、一番メリットが大きいかもしれません。オールドレンズ+マウントアダプター使用時は実絞りでの使用となるため、絞りを絞っているときや夜間などは、液晶モニターのゲインアップにより表示がボケボケになり、ピント位置がどこにあるのかさっぱりわからなくなる時があります。こんなとき、“MFアシスト”中の“ピーキングMF”は絶大な効果を発揮します。

まとまりなく書いてきましたが、ついこの間まで“ピーキングMF”機能がない状態でMF撮影にいそしんでいた身としては「なんて便利な機能だ」としか言いようがありません。しかも最新製品と同じ機能が1年前に購入したカメラにも載るだなんて冗談のようです。マウントアダプターでオールドレンズを楽しむために越えなければいけなかったハードルが、少し低くなったのではないでしょうか。

(2011.06.24)

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