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OM-D E-M5の話から日本製品のブランディングの話に飛ぶ

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この記事、完成したと思った直後にブラウザーが落ちて一回消えるという惨劇を乗り越えて書かれたものです。そこからロンドンオリンピック級の精神力でもう一度書き始めましたが、今度は消えた記事の面影がどこを探してもありません。

というわけで、オリンパスの“OM-D”「E-M5」というカメラを勢いで購入した、という話です。そもそも、この間マイクロフォーサーズの「DMC-GX1」を購入した私。松下のGX1を買ったのは、この「E-M5」がボディ単体で10万円越えで「あんさんそら手がでまへんわ」ということが初期の動機でした。結果、GX1は非常に良いカメラでしたし、マイクロフォーサーズ機と、特にレンズに対する評価がぐーんと高まりました。すると、どうしたことでしょう。我が家からいくつかのカメラとレンズが消えたと思ったら、代わりにこの「E-M5」が手元にあった、というミステリー。なんというミステリアスなカメラ。事件の鍵は中古カメラ店が握っています。

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OM-D E-M5、LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.

「E-M5」、率直に言って素晴らしいカメラでした。何より素晴らしいのはセンサー。昨年使用していた「E-PL3」のセンサー性能とはまさに雲泥の差。「E- PL3」では貧弱なエンジンを腕でカバーして頑張るF1ドライバーのごとく、頑張ってるけどどうにもならないんだろうなあという感がありましたが、「E-M5」ではいきなりトップチームのエンジンに。

おかげで、高感度時の撮像性能が目に見えて向上しています。昨年のオリンパス機では正直ISO1600はまったく使いたくない、と感じた自分がいた事を過去の記事で思い出しましたが「E-M5」では完全に守備範囲です。この新型センサーの特長は、低ノイズ、高速読み出し、広ダイナミックレンジの3点だ、という話をどこかで読みましたが、まさにその3点がNEXにあってオリンパス機になかったもの。高感度の鬼であるNEX-5Nと同等とまでは感じませんが、それに近いところにまで一気に来たような気がしました。チルト式モニターも付いているため「NEXユーザーがもっとも違和感なく使えるマイクロフォーサーズ機」という立ち位置を完全に確立しました。そんなポジションを目指していたかどうかは知りません。

「E-M5」を購入前は、「そんなに良いセンサーなのなら使ってみようかな、なぜならうちはミラーレスブログだから」というのは建前で、本音は「ああカメラが欲しくてたまらない」というジャンキーのような動機だったわけですが、高感度性能だけでなく、さまざまなポジティブな驚きがありました。高速読み出しが可能な新型センサーのおかげで、とても気持ちのよい連写性能、そしてAF性能。ライブビューのフレームレートも高く、ぬるぬる動きます。有機ELモニターは、文句をつけるとしたら実写より綺麗に映る、ということだけ。タッチパネルも各ボタンのサブという控えめな位置づけで、シーンによってはボタンよりも遥かに便利という、タッチパネルインターフェースとはこうあるべき、という形に仕上がっています。むしろ「NEX-7」がなぜこういう形でタッチパネルを搭載しなかったのかが解せない。

また、「ローパスレス」という魔法の単語が各媒体をにぎわす昨今ですが、オリンパスの“ファインディテール処理”──薄いローパスフィルターと画像処理エ ンジンの処理を組み合わせることでモアレや偽色を抑えつつ高い解像力を得る仕組み──解像力はローパスフィルターの有無だけで語られるものではないのだなあ、ということを撮った写真が語ります。結構、強烈です。

ファインディテール処理自体は昨年からありますが、いかんせんセンサーがアレだったもので、ISO100~400で撮ったときくらいしかその恩恵が 感じられませんでした。しかしこのE-M5のセンサーの力はここでも大きく、ISO1600で撮った子どもの寝写真で、髪の毛の一本一本が見事に解像されているのを見て「フオオッ」という奇声を夜中の2時半に上げたりします。

そして、ハイエンドモデルだからなのか、“OM-D”ブランド初号機だからなのかわかりませんが、とにかく機能が豊富です。そして何がエライって、各種機能を盛り込むだけ盛り込んで、あとはお好きなものはどうぞ、というスタンス。そして細かな操作についてもAパターンとBパターンを用意する、という丁寧さ。過去にオリンパス機の操作のクセについてあれこれ文句を書いた記憶がありますが、他にもユーザーからの要望があったのでしょう、すべて対応策が施されていました。素晴らしいスタンス。「X-Pro1」が一番見習わなければいけない部分です。ボタンがぐにゃぐにゃしたり、再生ボタンが最高に押しづらかったり、という話はまた今度。

高性能なデバイスがてんこもりでっせ、という感じが触感から伝わる

デザインがカッコいい/スタイリッシュ、というカメラはよく出しているオリンパスですが、持った瞬間から「これは高性能なデバイスを小さいボディに詰め込めるだけ詰め込んだ素敵カメラですね」と感じさせる製品というのは、最近のオリンパスではあまりないような気がします(PENシリーズが該当しますがE-P1~E-P3はちと大きい印象、E-PL3やE-PM1はセンサーが微妙だった)。高性能を保証する最新精密機器がぎっしりと詰まったような凝縮感。この感触こそまさしくメイドインジャパン!中国製ですけど。しかしカメラ底面の生産地表記には、「MADE IN CHINA」の前に「DESIGNED BY OLYMPUS IN TOKYO」と書いてあります。

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なんとなく思うのは、こういう主張は地味ながら大事なんではないかと。メイドインジャパーン製品で育った日本人である私は「ああ、中国で作ったんだ」という若干の肩すかし感がありますが、外国に行けば「DESIGNED IN TOKYO」という部分にむしろ目を留めてくれるような気がします。いまどきはあらゆるモノが中国製ですからね。

たとえばワインに対する造詣が5歳児レベルのワタクシが、間違ってフランス料理店に入ってしまったとします。そのときに「このワインはブルゴーニュの~~」とか「ボルドーの~~」という話をされた日には「あ、うん、良いワインが揃っていますね。最高ですよね、ええとブルシット」というおとぼけコメントを残すことでしょう。何が言いたいかというと、ワインの地名のブランド力は凄まじい浸透力ですね、ということです。

同様に、たとえばレンズなんかは「MADE IN NAGANO, JAPAN」とか「MADE IN YAMAGATA」とか、生産地を積極的に表記していけばいいんじゃないかと思うわけです。ワインの場合はブドウを作る土壌=品質、ということで生産地の名前が広まっているわけですが、「丁寧かつ精密な仕事をする長野の職人が精魂込めて作り出したレンズ」という事だって立派な品質保証です。メイドインジャパン育ちとして思うのは、この素晴らしい「E-M5」のクオリティーが「DESIGNED IN TOKYO」というブランドを高める作用を果たせば愉快じゃないかと。最終的には、日本製=最高品質ということが世界中に改めて伝わっていくと良いですよね。

(2012.05.06)

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