SONY NEX-5、Contax Planar T* 50mm f1.4(Y/C Mount adapter)
前回、「Sonnar T* 85mm F2.8」をNEX-5/NEX-3で使うときは、焦点距離がレンズ表記の1.5倍の127.5mmになる、ということを書きました。その続きです。
127.5mmという焦点距離は自分の場合、めいっぱい手を伸ばして親指と人差し指を大きく開いたときの幅が、撮影時の長辺になる、という感覚です。近くの被写体だと覗き込むような感覚、遠めの被写体だと注視した場所を写すようなイメージになります。200mm以上の望遠になると写っているものがペターッと平べったく感じる場合が多くなりますが、これくらいの焦点距離であれば、望遠なんだけどもちょうどいい立体感というものが得られます。全然関係ない話ですけど、レンズの評価で「山を撮るのに適している」みたいな説明が書かれていることがありますが、自分が登山をしないためにまったく実感が沸かない表現だなあといつも思いますね。登山に対して「上り坂=キツイ」「下り坂=楽しい」という小学1年生レベルの印象しか持ち合わせていない自分が悪いのかもしれません。これからだんだん年を取ってくると「下り坂=膝が痛くて嫌い」となりそう。というかもうなってる。
もうお気づきかもしれませんが、話が脱線しても全然気にしないのがこのブログの長所です。ところでこのゾナー、写りはどうなのかというと、空気感がどう、とか言い出すと禅問答のようになっていくので書きませんが、自分はかなり好みのレンズです。絞り開放からコントラストが高めで、バキッとした写り(何を表現しているのかわからない擬音)なので、女性を撮ってもあまり喜んではくれないかもしれません。ニキビやシミも隠さずに的確に描写します。ポートレートに向いているといわれる焦点距離なのに、絞り開放から容赦のない写りが実に漢らしい。そこに惚れています。いや、別に女性を撮ってもステキな写真になると思いますよ。思いますが、「フワッとした」とか「ゆるかわ」といった言葉で表現されるような写真はこのレンズからはあまり出てこない気がします。85mmのレンズといわれるとF1.4クラスが欲しくなるのが人の性ですが少なくとも自分はこのF2.8のレンズで間に合っているな、と思わせてくれます。
いかなる時もこのゾナーだけを持ち出す、という修羅の道を突き進むのも良いかもしれません。しかし、それだとさすがに被写体が限られてきます。実際2、3度やってみて、結局いまいち芳しい成果を挙げられずに帰宅するという、ボウズで帰宅する漁師のような気分を味わうこともありました。さすが修羅の道、険しい。なので自然と、広角~標準レンズと一緒に持ち歩くことが多くなるわけですが、Sonnar 85mm F2.8は230グラム(自分のはAEGなのでもう少し重い)と軽量なので、デカくて重い大口径単焦点広角レンズのついでに持ち出すのも苦になりません。
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